トークセッション PiN UP 第 3 回 ヨシダアキヒロが南谷真鈴にインタビュー

最終更新: 2019年12月18日


(左)ヨシダアキヒロ (右)南谷真鈴


異業種の優れているところを取り入れて、自分の美容室に活かしたい。

そんな思いから始めた、気になる人へのインタビュー。

第 3 回目のゲストは南谷真鈴さんです。 南谷さんは若いのに経験豊か。それゆえに、放つ言葉は常に本質を捉えていて、ハッとさせ られることが多いです。

出会ってまだ 1 年ですが、言いたいことを話せて、何年も前から友人であるかのよう。

南谷さんも僕もまだまだ成長段階。ともに成長し刺激し合って、お互いが日本で、世界で活躍できるようになれたらと思います。


山に登っていると絡まっていた糸がほどけるような感覚があった


ヨシダアキヒロ(以下ヨシ) 南谷真鈴さんと初めてお会いしたのは会社経営をされている人からの紹介でした。覚えていますか?


南谷真鈴(以下南谷) もちろん。ちょうど去年の今ぐらいでしたよね。3 月の。


ヨシ それから気が合って、お互いどうなりたいのか、どう成長したいのか、どういう日本 になると幸せなのかなど、いろんな話題について話し合える仲となりました。今はこうして話しているけど、1 年かけてようやく南谷真鈴という人間の質の高さに、ちょっとだけ近づ いたような気がしています。年齢は 9 つも僕のほうが年上なのに、南谷さんのほうが確実にしっかりしている。


南谷 そんなことはないですよ。ヨシダさんは 24 時間ヘアサロンを経営していて、7 月に新しく青山にお店をオープンさせます。立派じゃないですか。


ヨシ いえいえ、全然まだまだです。それでですね、今回、こういう場を設けたのは、改めて南谷さんの魅力に迫ろうと思ったからです。そこで、まずお聞きしたいのが、南谷さんはエベレストをはじめ、世界七大陸すべての最高峰に登頂し、南極や北極も制覇しています。 いろんな人に聞かれているとは思いますが、そもそも登頂しようと思ったきっかけを教えてください。


南谷 私は神奈川県で生まれたんですが、父の仕事の関係で日本と海外を行き来するような生活をしていました。マレーシア、中国の大連、上海、香港で暮らしていて、通っていた学校も日本の学校はもちろん、アメリカンスクール、カナディアンスクール、インターナショナルスクール、ブリティッシュスクール、現地の学校などいろいろでした。学校が変わればカルチャーも違う。そんな中でアイデンティティといいますか、自分は本当に日本人なのだろうか。いったい何者だろうというのがどんどん分からなくなっていったんです。



ヨシ 行く先々でその土地に馴染んでいくことによって、自分のルーツが分からなくなるというのは、確かに理解できます。


南谷 それだけでなく、学校生活にも違和感があったといいますか。中学校が香港のブリティッシュスクールだったんですが、すべての学生にパソコンが配られて、パソコンで授業を行って、24 時間ネットで繋がっていて、宿題もパソコンでやるような学校だったんです。 しかも香港は人口密度が世界一でもありますから、学校が縦に長いんですね。ビルなんです。 友人が8階にいて、私が1階にいると、ビデオチャットをしながらランチを食べるというような。自分のアイデンティティの問題、24 時間ネットで繋がっている学校、そういうので自分の頭の中がこんがらがっていました。そんなとき、学校のみんなと山へ登る機会があったんです。山って、一歩一歩踏みしめて登っていくわけじゃないですか。一歩歩くごとに心の中のこんがらがっていた糸のようなものがほどけるような気がして、まるで瞑想しているような気持ちだったんです。そこから山へハマっていきましたね。


ヨシ 山が南谷さんの気持ちを救ったんですね。


南谷 山がとにかく新鮮で、ハイキングやキャンプへ行くのがすごく楽しみでした。それで、学校のボランティア活動の一環で友達とネパールのアンナプルナという山のベースキャンプまでトレッキングをしに行ったとき、その途中でエベレストを見たんです。ちょっとしたトレッキングや小さい山へ登るだけでも、こんなにも心が清められるのであれば、世界一高いエベレストに登ったらどんな景色が見れて、どんな人と出会えて、どんな成長が得られるだろうと思い、登ってみたいという気持ちがどんどん大きくなりました。


山頂に到達したとしても、そこが本質的なゴールではない

ヨシ エベレストに登りたいと思っても、実行ってなかなかできないじゃないですか。どうしても登りたいという行動力、熱量みたいなのはどこから来るんですか?


南谷 香港の高校を卒業して、そのまま海外の大学へ行こうと考えていたんですけど、高 3 のときに日本へ帰って来ることになり、まわりはみんな受験勉強をしていて、私は特にやることがない。家でご飯の用意をしているときに、私は何をしているんだろうって突然思ったんです。このまま進んでも理想の大人になれないなって。何かをやらなきゃいけないような気持ちになり、そのとき中学生で見てインパクトを受けたエベレストに今登ろうって決めたんです。


ヨシ でもお金がかかることですよね。


南谷 父に相談したら「いいんじゃない。でも資金面ではサポートしないよ」と言われました。なのでプロジェクト化して資金集めの活動を始めました。いろいろと苦労の連続だったんですけど、無事プロジェクトを終えることもでき、エベレストだけでなく、世界 7 大陸の最高峰、そして南極、北極も行くことができたことは貴重な経験でした。


ヨシ 登っている途中の苦しいとき、どう乗り越えたんですか?まったくイメージができない。


南谷 心底、もう前に進めないと思ったら引き返す。そうではなくて、自分の心の弱さから前に進みたくないと思っているのであれば、30 秒でも 1 分でもとにかく時間をかけて一歩を踏み出す。もうそれしかないですね。


ヨシ そんな葛藤がありながら、山頂に辿り着いたときは、それはもう感動でしょうね。


南谷 お花って、花びらを一つ一つ開いていけば、もっと美しいのが見えるのではないかと思うけど、実際は同じ花びらが何枚も何枚も埋まっているわけで、本質には近づいてはいるけども、本質自体には到達していない。1 枚めくって、また 1 枚めくる、その連続。エベレストに登ったことによって花びらが何枚も取れたけど、まだ残っていて、めくっている最中に自分はいるんだなって。あと何枚くらい残っているのかなって思いました。


ヨシ そういう心境だったんですね。深いな。


南谷 ヨシダさんだってゴールに到達したときに絶対にその先があるじゃないですか。お店を開いて終わりじゃなくて、経営していれば問題点がいろいろ見えてきて、改善していき、もっとこうやりたい、こうゆうふうに成長したいっていう。それと同じような感覚だと思います。


ヨシ 僕が 1 スタッフとしてヘアサロンで働いていたとき、一人でお店を経営できたら最高だと思ったけど、頂点なのかなと思っていたけど、3 年ヘアサロンを経営していく中で、青山に新しいお店を出したいと思いました。


南谷 実際にはあるのは変化の継続だけだと思うんです。


僕は南谷さんのおかげで仕事に対する思いが変わった

ヨシ 同じことがずっと続いているわけではないですよね。話は戻りますが、登山中に雪崩などで死への恐怖もあったんじゃないですか?


南谷 う~ん。死ぬことよりも、過酷な状況で生きるほうがつらいと思いましたね。死=終 わり、なわけじゃないですか。死ぬことにも勇気はいると思うんですけど、それを考えること自体が自分を恐怖に追い込んでいることですし、私が思うに、将来なりたい理想の自分や 描きたい夢のために努力して一歩ずつでも確実に前に進むことのほうが死ぬことよりも大変だと思います。


ヨシ 南谷さんと会うと、人間の本質や生きることの意味って何だろうと考えさせられます。だから話していて楽しい。そういう話ができる人って、僕の中にはあまりいない。


南谷 生きてきた成長過程が似ているからかもしれないですよね。私自身、ヨシダさんを尊敬していますし、お互いのベストを願える仲だからこそ、いろんな話ができるっていうのもあるような気がします。


ヨシ 今、初めて言いますけど、僕は南谷さんと出会って、考え方が変わったところがあるんです。


僕は、美容師はお客さまを取り合って獲得していくものだと教えられてきたんですね。そのためにガツガツやってきました。収入も増やしたいし。でも南谷さんから教わったのは、本質というのは自分から求めるものじゃなくて、自分を磨き続けることによって、相手から「お客さんになりたい」「いっしょに働きたい」「あなたがやっていることってすばらしい」と、言っていただけること。そう言っていただけないということは、自分がそのレベルに達していないだけなんだと。本質に近づくためには自分が美しくなろう、いい美術館へ行こう、いい映画を観よう、いいものに触れよう、そうやって自分を磨き続ける他ない。そうすれば自然といい仕事ができ、いいお客さまと巡り合えて、いい自分になっていく。


南谷 さんにそう言われたとき、まったくそのとおりだと思いました。ぐうの音も出なかったです。


南谷 そんな話しましたっけ(笑)。


ヨシ しましたよ!


南谷 大丈夫です。ちゃんと覚えています(笑)。


ヨシ (笑)。これから先、南谷さんはどのような目標に向かって歩んでいくのでしょう。


南谷 今は大学に通い、これからより成長していきながらじっくり考えていきたいですかね。


ヨシ 僕は美容業界で女性をより美しく、男性をよりカッコ良くしていきたいと思っています。美容師は言語に関係なく、世界中の誰でも笑顔にできる仕事だなとも思うので、もっともっと美容を追求して高めていきたいです。


南谷 本当に応援しているので頑張ってください。


ヨシ これからもずっと刺激し合える友人でいてくださいね。


南谷 こちらこそお願いします。


ヨシ 本日はありがとうございました。



Profile


南谷真鈴

1996 年 12 月生まれ。神奈川県生まれ。2015 年のアコンカグア(アルゼンチン)を皮切りに、キリマンジャロ(タンザニア)、モンブラン(フランス)、マナスル(ネパール)、コジオスコ(オーストラリア)、ヴィンソン・マシフ(南極大陸)、南極点到達、カルステンツ・ピラミッド (インドネシア)、エルブルス(ロシア)、エベレスト(ネパール)、デナリ(アメリカ)を征覇。 エベレスト登頂は日本人最年少記録。2016 年 7 月 4 日にデナリを登頂したことで 7 大陸最 高峰の日本人最年少記録を更新。2017 年 4 月 13 日に北極点に到達し、「エクスプローラー ズ・グランドスラム」達成の世界最年少記録を樹立。趣味は山岳活動、料理、スキー、マリンスポーツ全般。早稲田大学 政治経済学部 国際政治経済学科在籍中。


ヨシダアキヒロ

24 時間営業・完全予約制のヘアサロン『PiNCH』のスタイリスト兼オーナー。2 つの質問に答えるだけで OKという独自のカウンセリングと原宿のヘアサロンで磨いた実力、デザイン提案によって、学生からエグゼクティブクラスまで幅広い顧客を持つ。7 月 7 日には南 青山に新店舗「PiNCH 青山」をオープン予定。

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